ヘウンデにて
ヘウンデにて
ヘウンデにて
ヘウンデにて
プサン国際映画祭のメイン会場のあるヘウンデにて
写真 受賞者と
市内には監督全員の大きな垂れ幕が!
是枝EPと舞台挨拶
是枝EPと舞台挨拶
是枝EPと舞台挨拶
写真 受賞者と
上映終了後にサインを求められて
写真 受賞者と
授賞式

プサン国際映画祭でワールドプレミア上映!!

3年がかりで制作しておりました新作ドキュメンタリー”Beautiful Islands”(ビューティフルアイランズ)が、2009年10月にやっと完成し、韓国・プサンの国際映画祭のドキュメンタリーコンペ部門に正式出品されました。世界初公開がプサン国際映画祭に決まった のは、この作品にとって本当に幸運なスタートになりました。

プサン国際映画祭は、96年に始まったアジアを代表する映画祭。アジア映画の認知度を高めることに注力し、新進監督を世に送り出す映画祭でもあります。ドキュメンタリーコンペ部門の2008年の最優秀賞は想田監督の『精神』。“プサン”後にベルリンなど国際的展開を果たす作品が上映されることでも知られています。

正直、この3年は私生活でいろいろあったので、この作品を作るということだけが、私自身の支えでありました。平坦な道のりではなかったので、その分、作品が大きな舞台で認められたことに感慨ひとしお。
胸のときめきを抑えられずに、2009年10月9日から16日まで、招待でプサンに滞在しました。

アジア有数の国際的な映画祭

初めて訪れたプサン国際映画祭の印象はとにかく国際的!!
世界各国のバイヤーや映画館関係者がここに集っているという強い印象を受けました。

映画祭のメイン会場は、リゾートホテルが立ち並ぶヘウンデという地区で、美しい海岸線が映画祭に華やかさを添えていました。主に3つのシネコンの30以上のスクリーンが上映会場に、また、いくつもの大型ホテルがそれぞれ業界向けのセミナーや見本市、そして、夜毎のパーティー会場になります。

アジアを代表する映画祭だけあって、アジアの有名監督がそれぞれ新作を携えて参加していましたが、その中の一員に自分が入っていることが夢のようでした。また、韓国は監督に対するリスペクトがとても強く、監督という仕事に対する視点が、日本よりずっと高い気がしました。
このほかにも、映画制作に対する多様な助成が用意されていて、韓国が映画文化を育成してきたこの10数年の歩みが結実しているような映画祭でした。

緊張の初上映

2009年10月11日 ワールドプレミア上映。前日から前売りチケットは完売で、時間帯が日曜日の朝10時という時間帯にもかかわらず、大勢のお客様が会場に足を運んでくれました。
今回、プサンに「空気人形」で参加していた是枝EP(エグゼクティブプロデューサー)も、間にあって一緒にワールドプレミア上映に立ち会ってくれました。

大スクリーンで見るこの作品は、見ごたえ十分。制作中に何100回も見ている私ですが、映像の美しさにこだわって作った作品だけに、大画面で見るのはものすごく迫力があり、改めて撮影の南カメラマンの偉大さに感動。ストーリーをすべて知っているにもかかわらず、あっという間の110分でした。
上映終了後、大変沢山の拍手をいただいて、感無量。上映後の質疑応答では、さすが "プサン"と思わせてくれるような、質の高い質問をいただいて、環境問題のこと、撮影の方法や演出について、幅広く議論しました。

是枝EPも挨拶に立ってくれました。
18歳で是枝さんに出会って、19歳で彼のドキュメンタリー番組に出させてもらって約20年。
是枝さんの後姿にあこがれて、この世界に飛び込んだ私にとっては、ある意味この作品は彼からの卒業作品。プサンで素晴らしい卒業式になりました。

アジア映画基金AND賞受賞!&韓国公開決定!!

初上映の日の夜、嬉しいことがもう一つ。プサン国際映画祭の関連のアジア映画基金AND賞という賞をいただくことになりました。アジア映画基金は映画制作に幅広く助成金を出している基金です。私がいただいた賞は、今回の映画祭のドキュメンタリー部門の40本の中から、3本(1本は韓国作品、残りの2本は海外作品)が選ばれました。授賞式は、各国の映画祭関係者やバイヤーさんが見守る中、豪華ホテルで行われ、午前中の初上映の熱気と緊張がなめやらぬまま、口元が緩みっぱなしの状態でした。

そして、なんと、副賞として、韓国国内での公開が決定!!!!!JINJINピクチャーズさんという、韓国でも有数の配給会社が手を挙げてくれて滞在中に契約を交わしました。早ければ2010年にも韓国で作品が公開される予定です。
海外で作品が公開されるのは、初めての経験で、3年の苦労が報われる思いでいっぱいの1日でした。

滞在中には、海外のバイヤーさんたちと交渉をしたり、有意義に過ごせた1週間でした。

12日、13日にもそれぞれ上映があり、監督挨拶のない会場でも、上映終了後大きな拍手が起きて、上映後はサイン攻めにあいました。おおむね良好な反応をもらえたことは、自分を信じて作品を作ってきて本当に良かったと嬉しさでいっぱいでした。

日本での公開はまだもうちょっと先ですが、このトーンで来年の公開まで頑張りたいと思います。