サンダンスNHK国際映像作家賞2007を受賞しました
サンダンス・NHK国際映像作家賞2007受賞者
サンダンス・NHK国際映像作家賞2007受賞者
授賞式
受賞式
授賞式
クロージングセレモニー会場にて
打ち合わせ
映画関係者とのミーティング
映画祭が行われたユタ州のパークシティー
映画祭が行われた
ユタ州のパークシティー
思いがけない受賞!
このたび、私 海南友子が書いた劇映画のシナリオが、アメリカのサンダンス国際映画祭において賞を受賞しました。2007年1月末に渡米して、ソルトレークでの華々しい授賞式に出席してきました。

サンダンス国際映画祭は25年ほど前に、俳優のロバート・レッドフォードが「明日に向かって撃て」にちなんではじめた映像作家の発掘のための映画祭で、タランティーノはじめ多くの映画人がここで認められ世界に羽ばたいています。

一般的に映画祭では、完成した作品の評価をするもので、サンダンス映画祭も完成作品を選考して賞を授与しているのですが、特別部門として、これから映画製作を予定しているシナリオを対象にした“サンダンス・NHK国際映像作家賞”があります。

今回、私が受賞したのはこのシナリオに与えられる賞で、世界の4つの地域(北米・南米・ヨーロッパ・日本)から毎年、各一名ずつが選ばれます。受賞者には映画完成後にNHKでのテレビ放映権が約束され、さまざまな映画製作へのサポートが得られます。
昨年の日本部門では100を超える応募があり、その中で、幸運にも最終選考まで残りました。

この賞のことは10年ほど前から知っておりましたが、これまでドキュメンタリー一筋で生きてきましたので、自分が普通の映画を作るということはまったく考えてもみないことでした。しかし、ふとしたきっかけで、実際に起きたある事件をベースにシナリオを書くことを思い立ち、書いてみたのが今回、受賞した「川べりのふたり」(仮タイトル)です。
まさか最終まで残るとは夢にも思っていなかったので、3度の審査(国際審査員を含む)を経て、2006年12月末に受賞が決まった時は本当に飛び上がるほどうれしかったです。

授賞式のために渡米
2007年1月に受賞式のために渡米することになりましたが、ただ授賞式にでるというのではなく、アメリカやヨーロッパの配給会社や制作会社、先輩映画人とのミーティングが5日にわたって組まれていました。
テレビ業界出身の私にとって、映画はまったく未知の場所。あわてて、学生時代からの友人でドキュメンタリーの世界に入るきっかけをくれた映画監督の是枝裕和さんを始め、さまざまな映像関係者に相談に乗ってもらって、2週間で作り上げた英語の企画書を持って現地に向かいました。

これまで、ドキュメンタリーの映画祭にはいくつか出席したことはありましたが、サンダンス映画祭は、大変刺激的な場所でした。朝から晩まで組まれていた海外の会社とのミーティングでは、すでに英訳されて先方に渡されていた私のシナリオを元に、今後の制作の可能性や、シナリオの改善ポイントについて話しあいました。通訳を介してではなく、出来るだけ自分の英語で説明を続けたために、1日の終わりにはくたびれ果てて、パーティー大好きの私がいくつかのパーティーに出席できないほどでした。

日本を舞台に日本社会の光と闇を描いた作品が、どのくらい他の国の方にうけいれられるかとても不安でしたが、おおむね共感をえられて、少しだけ安心しました。映画祭の期間中にうけたさまざまなアドバイスを元に、また、そのほかの関係者のみなさまのお力も借りながら、今後、映画制作を続けてまいります。

大海を渡る気持ちで!
これまで自分自身は経験のない劇映画の制作ですので、たくさんの苦労と困難が予測されます。シナリオ、資金集め、キャスト、制作。不安をあげれば切りがありませんが、新しいことにチャレンジするのは大好きです。学生時代から、これはと思った道にはとことん突き進み、環境問題や、戦争、国際関係などさまざまな現場を訪ねて新しい経験を積み重ねてきましたが、今度の挑戦はこれまでにない大きなものです。

例えれば、NHK時代は湖の上で、この湖が世界の全てだと信じて一生懸命に仕事をしていました。独立後は、波の比較的穏やかな内海で自分の進むべき道を探してぐるぐる小船で回りつづけてきました。今回、私が飛び出したのは、果てしない大海です。地平線のかなたに何が待っているのかは、まったく予測がつきませんが、それでも一度しかない人生を楽しみながら乗り越えて行きたいと思います。

父の介護も抱えております関係で(2007年5月現在)、皆様に作品として見ていただけるのがいつになるかはまだまだ見当もつきませんが、その日は必ずやってきますのでどうかどうかご期待ください。

サンダンスのこのNHK賞を受賞した作品の中には、完成後に国際的な評価をうけた作品がたくさんあります。それらを目標にがんばります。どうか、暖かい目で見守ってください。

●NHKの公式サイトはこちらです(日本語)

●サンダンス国際映画祭の公式サイトはこちらです(英語のみ)

NHKのプレスリリース
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