home news 上映予定 作品解説 メッセージ 遺棄毒ガス砲弾問題とは? 観客のVOICE 取材ノートから 自主上映会について
2003年夏 私は中国のハルピンでリウミンという女の子に会いました。彼女は父親を1995年に日本軍の遺棄した砲弾でなくしていて、それ以来、父の治療にかかった莫大な借金を返すために8年間、ほとんど休みなく働いていました。彼女の表情は何とも言えず暗く、口元が笑っていても眼の奥は全く笑わない女性でした。

戦争は一度始まると長いこと人々を傷つけることは、これまでに出会った様々な被害者との出会いの中から知って居るつもりでした。けれど60年近く前の戦争が原因で、今、27歳の女の子が苦しめられているという現実は、私に戦争に対するあらたな怒りと持って行き場のない憤りにおそわれました。

その後、10ヶ月かけて彼女と同じような被害者およそ60人に取材を続けました。日本軍が遺棄した砲弾や化学兵器でおびただしい数の中国の人々が傷つけられていました。ある者は失明し、ある者は生殖機能を奪われ、ある者は下半身が吹き飛んで殺されていました。その誰もが平和な時代に突然、未来を奪われていました。

戦争が終わって60年。中国の大地には今も日本が棄てた兵器が眠り続けています。かつての戦争の置き土産で、平和な時代に傷つけられ、命を落とす人々。彼らの声に耳を傾けてください。

かなともこ顔写真 監督・撮影・編集
海 南 友 子(かなともこ)

大学卒業後、NHKの報道ディレクターとして7年勤務。2000年に独立。

2001年インドネシアの元『慰安婦』を取材したドキュメンタリー映画『マルディエム彼女の人生に起きたこと』を監督。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2001で上映されたのを皮切りに 全国各地で上映会が相次ぎ、2003年には劇場公開でも公開された。
2004年には 新作『にがい涙の大地から』では、過去の戦争で遺棄された 化学兵器に苦しめられる人々の姿を追った。

10代の頃から旅行が大好きで、学生時代にはのべ1年近く各地を旅してまわった。
香港で水上ホームステイしたり、インドで井戸を掘ったり、国連の会議に参加したり、バリ舞踊を踊ったり。
中でも大好きなアジアを旅する旅に、どこかで『日本人と戦争』に出会い、よりよい未来のためにも過去を見据えることがたいせつだという問題意識から戦後補償の問題に取り組んでいる。

また、2001年の9/11以降は、全ての戦争に反対するという気持ちから様々なピースアクションにも参加している。

■著 書

  『地球が危ない』(幻冬舎・共著)
  『未来創造としての戦後補償』(現代人文社・共著)

kanatomokoHP
(c) 2002 KanaTomoko All rights reserved.
問い合わせ